高等部ブログ
科学と芸術の関連性@リード予備校
2023/10/22
リード図書館こんにちは、リード予備校の佳山です。
難関大学を芸術・アート関連で志望理由書をまとめた生徒がいまして、志望理由書や面接対応の準備は終わっています。
ただ、この生徒と話をしている中で、芸術がもたらす教育効果に興味が湧きまして、この生徒の面接練習も兼ねて色々と調べておりました。そして、狙っていたわけではありませんが、ある本を読んで、この生徒のやりたいことのヒントになる研究事例を発見しました。 見つけた時は少しテンションが上がりました。笑
ペンシルバニア大学ウォートン校教授、組織心理学を専門とするアダム・グラント博士が書いた本
『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』 三笠書房
この本の中に
ノーベル受賞者の芸術への関与を、一般的な科学者と比較して図にまとめている者がありました。
芸術関連の趣味 | 一般的な科学者と比較した場合のノーベル賞受賞確率 |
音楽(楽器演奏、作曲、指揮) | 2倍 |
芸術(素描、絵画、版画、彫刻) | 7倍 |
工芸(木工、機械、電子機器、ガラス吹き) | 7.5倍 |
文筆(詩、戯曲、小説、短編、エッセイ、一般書) | 12倍 |
舞台芸術(アマチュア演劇、ダンス、マジック) | 22倍 |
また、科学やビジネスを新たな視点で見ることができる人は、イメージや音、文字を通じて表現されるアイデアや感情に引きつけられる傾向があるということもわかる。(引用本文P 87)
「幅広い経験」と「深い経験」が独特に組み合わさることで、創造性は発揮される。(引用本文P 86)
ガリレオは月に山があるという驚異的な発見をしたが、ガリレオの使っていた望遠鏡にはその発見ができるような拡大率は備わっていなかった。拡大することで発見したのではなく、月の明るい部分と暗い部分を分けているジグザグの模様があることに気づいたのだ。 ほかの天文学者も似たような望遠鏡を使っていたが、ガリレオだけが「暗い部分と明るい部分があるということの意味を、鋭く察することができた」のだと、心理学者のティーン・サイモントは述べている。 ガリレオは物理学と天文学の豊かな知見があったが、絵画と素描にも造詣が深かった。 光と影の表現に重点を置いた”明暗法”という技法を学んでいたおかげで、ガリレオはのかの天文学者には見えていなかった「月の山」を見つけることができた。(引用本文P 88)
芸術がもたらす教育効果を調べるのはかなり面白そうです。 現在、推薦に挑戦している生徒が見事合格して、将来、芸術による教育効果を高めることに貢献してくれることが楽しみです☆ 私が大学生の時に、大学の教授(結構実績を出していた教授)が、科学者を志すなら、科学以外、特に芸術に関わる趣味を持つべきだと言っていたことを思い出しました。
独創性を高める効果が芸術に存在するなら、高校生や大学生に時に文化系の部活や活動を思いっきりやることは、その子の人生に大きな影響を及ぼすかもしれません。
次の新高校1年生説明会や来年のキャリア教育の話に盛り込んでいきたいと思います。