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リード通信Vol.32 バックナンバー

忠節校舎で英語を担当している高橋です。

 

忠節校舎で出しているリード通信のバックナンバーを1つアップしておきます。

 

今回は2024年6月に出したVol. 32です。記載された内容は当時のものですのでご注意ください。

 

 

※※※※※

 

リード通信Vol. 32 (2024年6月号)
(なるべく)毎月1日送信。ただしいつまで続くかは??

 

1,今月のお話

 

今回は「他人のうんちががんや認知症を治す(かも)」という話です。

 

海外の研究で、若いマウスから取った便を高齢マウスに移植すると、高齢マウスの学習や記憶に関する認知機能と免疫力が大幅に上昇したそうです。

 

便に含まれている、乳酸菌を始めとした腸内細菌が何らかの役割を果たしたと考えられています。

 

うんちの移植は人間でも試されており、がんの免疫療法に効果を発揮しています。(がんの免疫療法とは、患者自身の免疫力でがん細胞を攻撃する方法です。)

 

免疫療法の効果のあった患者の便をなかった患者へ移植したところ、後者の40%で免疫療法が効くようになり、中にはがんがほとんど消えてしまった患者もいました。

 

移植したうんちに含まれる細菌に対抗するために腸内で抗体が作られ、その抗体がうんちの細菌だけでなくがん細胞も攻撃したのが理由だそうです。

 

私たち人間は母親の胎内にいるときは無菌ですが、生まれてくる瞬間に母親から腸内細菌を受け取ります。ここでどのような細菌を受け取るかで、その後の免疫や体質が決まるそうです。

 

何らかの影響で腸内細菌の多様性が達成できないと、後にアレルギーなど様々な疾患につながる可能性があると考えられています。

 

きれいすぎる(つまり細菌が少ない)のはどうやらかえって問題ありのようですね。

 

順天堂大学の石川大准教授を中心とした研究チームは難病である潰瘍性大腸炎の患者は健康な人と比べて腸内細菌の多様性がないことを発見しました。そこで、多様な腸内細菌を持つ、健康な人の便を移植したところ、従来の治療法よりも高い効果が得られました。

 

今後は食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の患者にも便移植の臨床試験を進めていくそうです。

 

そもそも、動物の中には自分の、あるいは他のうんちを貴重な栄養源として食べる種が多くいます。もしかすると若い健康な人のうんちが薬として使われる時代が来るかもしれません。
高橋

 

 

※※※※※

 

2、田辺の一冊 田辺の独断と偏見で本を紹介します。

 

木田元『反哲学史』

 

「反」というのは、あんまり哲学をありがたがるのをやめて、哲学を相対化し、その歴史を見直してみようという意味だそうです。

 

日本人にとって西洋哲学は分かりにくいもので、「真」「存在」など、そもそもなぜそんなことを一生懸命考えているのか分からなかったりします。(筆者も哲学を日本で勉強することの奇妙さを感じていたといいます)ただ、哲学が日本も含めた現代社会の基礎にあることも確かで、社会を考えようとするためにはある程度は知っておかないといけません。

 

この本は、そもそも哲学はなぜそれを問題にしてきたのかなどという発想のところを説明してくれていて、哲学の入門としてよい本です。

 

個人的に面白かったのは中世ヨーロッパのところです。

 

古代、ローマ・カトリック教会はローマ帝国と教会を共存させるため、「神の国(宗教)」と「地の国(政治)」とをはっきりと分けるプラトン・アウグスティヌス主義という教義体系(プラトンの哲学をもとにしている)をつくりました。

 

やがて教会が国家(政治)に関わるようになってくると、それを正当化する新しい教義体系が求められ、そこでアリストテレス・トマス主義という「神の国」と「地の国」が連続していて、教会が国家を導くのは当然だという考えがつくりだされたといいます。

 

世界史で「トマス・アクィナスがスコラ哲学を大成した」ということを習ったときは意味が分かりませんでしたが、そういうことかと理解できました。

 

現時点で哲学に関心がある人は多くはないと思いますが、大まかに哲学史を知っておいても損がないと思いますので、ぜひ読んでみてください。

 

 

※※※※※

 

3、高橋が過去に訪れた国を紹介するコーナーです。読んでも特に何の役にも立たないので読みたい人だけどうぞ(笑)。今回はオーストリアです。

 

首都:ウィーン
最大都市:ウィーン(人口約200万人)
面積:約8,4万平方キロ(北海道とほぼ同じ大きさ)
人口:約912万人
一言メモ:13世紀後半から第一次世界大戦での敗北までヨーロッパを代表する貴族、ハプスブルク家が支配していた。そのため首都ウイーンは音楽や芸術の都となり、モーツァルト、ベートーベン、シューベルトなど名だたる音楽家がこの地に集結していた。

 

 

オーストリアは首都ウィーンにたった4日間滞在しただけですが、ウィーンの印象は強烈に残っています。

 

まずは宿泊したユースホステル(若者向けの安宿)がとてもユニークで、なんと古い教会の塔の部分が宿になっていました。2階が受付、3,4階が宿泊者用共有スペースで5階からがドミトリー(相部屋)になっていたのですが、塔のため狭いので各階に1部屋しかありません。

 

私は9階の部屋でしたがもちろんエレベーターはありません。部屋のすぐ上に大きな鐘があり、これが機械仕掛けのようで鳴るとギーギーという音がして床がグラグラ揺れておっかなかったですが、その代わりに部屋から見渡す旧市街の眺めが最高でした。

 

、、、と、これだけなら「いい思い出」で終わる話なのですが、ベッドにダニがいたらしく、なかなかひどい目に遭いました。(ダニ刺されの特徴は痒みが1日遅れでやってくることです。このときも1泊目は「あれ、少し痒いかな?」程度ですが、2泊目にモーレツに痒くなりました。)

 

観光案内所でもらったパンフレットを見て、たまたまその日が「オルガンフェスティバル」の最終日で夜に教会でコンサートがあるのを知り、(普段はクラッシックなんて興味ないのに)これは音楽の都にふさわしいと思い、行ってみることにしました。

 

驚いたのは、指揮者が日本人の方だったことです。もらったパンフはドイツ語だったので、そのときは彼が「ヌキイ アツシ」という方であることしか分からず、なぜ彼がこのウィーンのオーケストラの指揮をしているのかは全く不明でした。

 

しかし、オーケストラのメンバー全員が指揮者の日本人に敬意を持っているのは素人目にも良くわかりましたし、楽曲そのものの素晴らしさと相まって本当に感動的なコンサートでした。

 

抜井厚氏がウィーン・モーツアルト・オーケストラの常任指揮者として活躍されていたのを知ったのはだいぶ後になってからです。

 

「外国人」である抜井氏が音楽の本場とも言えるウィーンでオーケストラの指揮をとるようになるまでには、きっと幾多の困難があったのだろうと思います。それを乗り越えて、こうして世界の人々に感動を与えている日本人がいる。

 

自分も頑張らなければ、と思いました。(思っただけで頑張っていないのですが(笑)。)

さらに

詳しく知りたい方はコチラから!

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