高等部ブログ
リード通信Vol. 30 バックナンバー
2025/06/08
リード予備校忠節校こんにちは。忠節校舎の高橋です。
現在、忠節校舎の対象高校である岐阜高校、岐阜北高校は前期中間テストの真っ最中です。
忠節校舎は定期テスト前と定期テスト期間中の日曜は(マナビス館と本館を合わせると)午前9時から午後10時半まで自習室を開放しています。
午後9時をまわってもかなり多くの生徒が勉強しているのは、さすが忠節だな、と思います。
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今回の定期テストで個人的に面白いと思った話を1つ。
ある1年生が、「先生、この問題解けますか?」と、英語(論表)のテストを見せてくれました。
「誰に向かって言ってるの?僕が解けないわけないじゃない」と言いながら、自信満々に解こうとしたのですが、、、。
手も足もでませんでした、、、。
その問題は、「南アフリカには~の州がある(実際は英文)」の~に6から9の数字を入れなさい、という4択問題です。
、、、いや、それ英語の問題じゃないし、、、(笑)。
聞くと、ALTの先生の自己紹介からの問題だそうですが。
ちなみに、調べたところ答えは9でした。(この問題を間違えた生徒は南アフリカが9の州からなることは決して忘れないでしょう。)
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忠節校舎で出しているリード通信のバックナンバーを1つアップします。今回は去年4月に出したものになります。データなどは当時のままなのでご注意下さい。
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リード通信Vol. 30 (2024年4月号)
(なるべく)毎月1日送信。ただしいつまで続くかは??
1,今月のお話
住宅やオフィスビルなど建築物分野におけるCO2排出量は日本国内全体で実に34%を占め、産業分野についで多いそうです。
もともと日本の家屋は諸外国のと比べて断熱性能が低い(つまりエネルギー効率が悪い)ことが問題になっていました。熱効率の観点から言うと、家屋の一番の弱点は窓です。これまで開発された断熱材はどれも不透明なため、透明でなければならない窓に使用することができません。そしてそこからの熱エネルギーの損失は膨大なものであると試算されています。
脱炭素社会の実現に向けて建築物の省エネルギー化は必須であり、そのためにはより高性能でなおかつ透明な断熱材を開発しなければなりません。
この2つの条件を同時に満たしてくれる夢の素材がエアロゲルです。
エアロゲルは現在までのところ、地球上でもっとも断熱性に優れている素材です。この物質は90%以上が空気からできていて、「いくつもの小さな部屋に空気を詰め込んだ」構造をしているため、分子同士の衝突が起こらず熱が発生しない(=断熱性に優れている)という特性があります。
エアロゲル自体は1931年に発明されていたにもかかわらず普及が全く進んでいない理由は、高価であることと耐久性が非常に低いことでした。しかし近年の研究でこれらの弱点は徐々に解消されつつあるようです。実際、今年1月には京都大学の研究グループが透明度を保ちつつ曲げ柔軟性の高いエアロゲルを世界初で発表しています。
現状ではまだ実用に耐えうる大きいサイズのエアロゲルはできていません。しかし実用化されれば、建物のエネルギー効率を大幅に上げることができるなど、まさに「世の中を変える」ことになるのは間違いありません。
最後に面白い研究を1つ紹介します。
アメリカのハーバード大学は火星の表面を再現したところにエアロゾルを敷き詰め、火星における太陽光を模した照明の光を当てて地表の温度変化を調べました。
その結果、エアロゲルを敷き詰めた部分はそれ以外の部分と比べて50℃以上も暖められることが判明したそうです。
火星は平均気温がマイナス50℃以上の酷寒の世界ですが、エアロゾルがあれば火星に存在する氷を溶かして水を確保できますし、農業もできそうです。
将来、エアロゲルが人類の火星移住を可能にするかもしれませんね。
高橋
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2、田辺の一冊 田辺の独断と偏見で本を紹介します。
宇野精一編『平成新選百人一首』
万葉から昭和までの秀歌から百首を選んだものです。藤原定家の『小倉百人一首』が有名ですが、さらに長い歴史の中で百首を選ぶという面白い試みです。
各時代から広く選ばれていて、初めて知った歌も多くありました。いくつか紹介します。
もののふの 鎧の袖を 片敷きて(かたしきて) 枕に近き 初雁の聲(こゑ) 上杉謙信
(越中魚津城に陣を進めた時の作。戦国武将もよく歌を詠みました)
親思ふ こころにまさる 親ごころ けふの音づれ 何ときくらん 吉田松陰
(死罪が避けられないと悟り、家族へ向けて書かれたものです。)
學徒みな 兵となりたり 歩み入る 廣き(ひろき)校舎に 立つ者あらず 窪田空穂
百首のうち三十七首は明治・大正・昭和時代からのものです。和歌は古い時代の遺物ではないということを伝えるために、比較的最近の歌を多く選んでくれたのだと思います。
和歌はただ五・七・五を並べたものではありません。昔から受け継がれてきたフォームといえるものがあります。過去の秀歌を模倣すること、それが創造でもありました。
和歌には日本語の最も美しい、優れた形が表れています。優れた和歌を読み、自分でも詠んでみることは、ある種の教育の役割があったという話も聞いたことがあります。
みなさんも古文の勉強だと思って部屋に一冊和歌集を置いておくとよいのではないでしょうか。
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3、高橋が過去に訪れた国を紹介するコーナーです。読んでも特に何の役にも立たないので読みたい人だけどうぞ(笑)。今回はコスタリカです。
首都:サンホセ
最大都市:サンホセ(人口約34万人)
面積:約5.1万平方キロ(九州と四国を合わせた面積)
人口:約515万人
一言メモ:国名はスペイン語で「豊かな海岸」を表す。1948年に内戦が終了してからは現在まで非武装中立を貫き、軍事予算ゼロ。その分を教育や福祉に回し続けた結果、中米地域No. 1の繁栄国となっている。
カリブ海沿いの鄙びた道を次の国パナマへ向かって自転車で走っていたときのことです。
1台の車が私の前で停まり、運転していた西洋人に「ニホンジンデスカ」と声を掛けられました。
彼はケンという名前のドイツ人で、かつて日本の楽器会社で働いたことがあるそうです。彼はこんなところに日本人がいることにまず驚き、その日本人がアラスカから自転車でここまで来たということに更に驚いていました(笑)。
昼食をおごってくれることになり、食堂でいろいろ話をしたところ、彼は、環境問題に目覚めてコスタリカにやって来たそうです。現地で土地を買い、半ば自給自足の生活をしつつ、プラスアルファの収入を得るためにこのあたりのガイドの仕事もしている、とのことでした。教育を兼ねたエコツアーを成功させたいという夢も語ってくれました。
彼に翌日のツアーへの参加を勧められ、「彼の夢の実現にほんの少しでも協力できれば」と思い参加することにしました。
翌日、ケンの案内で他の参加者と一緒にジャングルのハイキングをしました。
途中大きな滝があり、パンツ一枚で滝壺に飛び込みます。冷たい水が気持ち良い。滝に打たれてみましたが、圧力がすごくて弾き飛ばされてしまいました。
ブルーバタフライを目撃したのはその帰りでした。こんなに間近で見たのはケンも初めてだそうです。止っているときは灰色っぽい羽の裏側しか見えなくて全然大したことないのですが、飛ぶとその瞬間に羽の表側が見えます。それは「こんなにも美しい青」がこの世に存在するのか、というくらいの「ブルー」でした。
私にとってのコスタリカはこの「ブルー」です。