高等部ブログ
リード通信Vol.12 バックナンバー(2022年10月号)
2023/06/14
こんにちは。英語担当の高橋です。
リード高等部の各校舎で現在「進研模試対策授業(英数)」の参加を募集中です!
今日は長良校舎にいるのですが、出社してからほんの1時間で2件のお申し込みを頂き、有難い限りです。
「進研模試対策授業」は無料で参加できるイベントですので、ご希望の方は高等部各校舎へお問い合わせ下さい!
2週間ぶりにリード通信のバックナンバーをアップしておきます。
高橋
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忠節校限定! リード通信Vol. 12 (2022年10月号)
(なるべく)毎月1日送信。ただしいつまで続くかは??
1、今月の予定(省略)
2、今月のお話
このコーナーでは最先端の技術の紹介等、どちらかというと理系寄りの話が多かったので、今回は文系、それも経済学の話をします。(長くなってしまったので2回に分けます。今回は前編です。)
経済学と言うと、なんとなく「お金の流れ」を勉強する学問と思う人が多いと思います。もちろん「円安が国内の産業に及ぼす影響」とか「消費税増税が人々の消費行動に及ぼす影響」といったことも経済学の重要なテーマではあります。
しかし経済学は単に「お金に関する学問」ではなく「人間行動のありとあらゆる分野」を分析対象としています。物理学があらゆる自然現象を数式で表そうとしているのと同様、経済学はあらゆる人間行動を数式で表すことを目指す学問であると言えます。
「人間行動を数式で表す」ってなんかカッコよくないですか?
人間が様々な行動をする以上、当然経済学の研究も多岐に渡ります。例えば、「新型コロナの流行により巣ごもり需要が増えている、というのは果たして本当だろうか」とか、「映画館にとって学割の料金設定をするメリットはあるのか」とか、「顔が良ければ頭も良いとみなされるのか」とかまで経済学のテーマになり得ます。
最後のなんて、どう考えても経済とは関係なさそうですよね、、、。実際、心理学者も同じようなテーマを研究しています。社会科学を大学で専攻するメリットの1つは「経済学だろうと社会学だろうと心理学だろうと、自分が興味を持ったテーマを自由に研究することができる」ことだと思います。
、、、ちなみに、映画館はなにも慈善目的で学割料金を設定しているのではなく、当然その方が収益が上がるから、つまりメリットがあるからやっており、これはちゃんと数式で証明されています。
さらに、「顔が良ければ頭も良いとみなされるのか」に対する答えは、(残念ながら)Yesです。それどころか、顔が良い人は「頭も良いとみなされる」だけでなく、「実際に頭がよい」ことも研究データで示されています(あくまで統計的なデータです)。理由は、「頭が良いとみなされている」人は、周囲の期待に答えようとして他の人より頑張るからです。
社会の定義の力が如何に絶大かを示す1つの良い例ですね。世の中は最初から不公平に出来ている訳です。
次回は、私が個人的に気に入っている、経済学のある1つの研究について紹介したいと思います。
高橋
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3、田辺の一冊 田辺の独断と偏見で本を紹介します。
石村利勝『詩集 ソナタ/ソナチネ Sonata/Sonatine』
今回は詩について、
(おそらくみなさんと同じように?)私も昔は詩はくだらないものだと思っていたのですが、いつの間にか詩を読むようになりました。
最初に詩に関心をもったきっかけはあまり覚えていないのですが、詩そのものではなく、だれかの詩を論じた文章を読んで、詩の読み方を学んだことだったような気がします。
萩原朔太郎『氷島』、中原中也『在りし日の歌』などが特に好きで、たまに読んでいます。
最近の詩はほとんど読んでいないのですが、珍しく買ったものがこの詩集で、昨年出版されたものです。平易な言葉を使いながら、音の響き・イメージ喚起力が抜群です。
水は澄み
みどりは安らぎ
秋風に旅人のさよならも消えて
ひえびえと窓辺に搖れる花がある
翳りなく白くひとすぢの野の道は遠く
絵画や音楽のように、詩もまた言語によって創造された芸術です。意味を求めるものではないですし、説明が必要なものでもありません。何回か声にだして読んでみて、呼び起こされるイメージをそのまま受け取るものです。
みなさんもそのうち好きな詩が一つ見つかれば、そこから新しい世界が開けるんじゃないかと思います。
最近はほとんど詩が読まれなくなってしまいましたが、日本では昔から詩歌が身近にありました。古事記にはスサノオノミコトの詠んだという歌があります。
八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣つくる その八重垣を
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4、おまけ(高橋の世界各国つれづれ訪問記)
高橋が過去に訪れた国を紹介するコーナーです。読んでも特に何の役にも立たないので読みたい人だけどうぞ(笑)。第12回はインドです!
首都:デリー(デリーはオールドデリーとニューデリーから成り立つ大都市です。)
最大都市:ムンバイ(かつてのボンベイ。人口約1,850万人。)
面積:329万平方キロ(世界第7位。日本の約9倍)
人口:約14.1億人(現在世界第2位。ただし国連の推計によると来年中国を超えて世界1位になるそうです。)
一言メモ:実はGDPランキングで世界第5位の経済大国(ちなみに上位4カ国はアメリカ、中国、日本、ドイツ)。2050年までにアメリカを抜き、中国に次ぐ世界第2位の経済大国になると予想されている。
インドは4カ月以上かけて一周しました。
インドはとにかく刺激的な国です。
牛が街中を我が物顔で歩いているのを見るだけでもビックリ。あちこち落とされた牛糞を集めて燃料として販売する人がいるのを知ってまたビックリ。
観光客相手の悪徳インド人と毎日バトル。(朝起きて、「よし、今日も戦うぞ」と気合を入れる(笑)。)
各地の遺跡の素晴らしさに感嘆。(「こんなの宇宙人しか造れないでしょ。」)
南インドの食事のあまりの美味しさに涙。(当時のレートで1食60円。世界一美味しい料理。しかも食べ放題。)
そして絶望的なほどの貧富の差。(物乞いの中には、物乞いとしての「価値」を高めるために人工的に障害を負わされた子供もいるという、、、。)
そんな中、何気に一番印象に残っているのは、本当にしょうもない出来事だったりします。
ある日、急に背中が痒くなったのですが、特に気に留めもせず、放置していました。その後1週間くらいで痒い場所がどんどん増えていき、これは何かおかしいと思い、着ていたTシャツを裏返してみたら、、、。
2~3ミリくらいの半透明の虫がびっしりと付いているのを見たときのあの衝撃は今でも忘れられません(笑)。
「やつら」の正体はコロモジラミでした。毎日オンボロで汚い安宿に泊まっていましたし、私自身もかなり不潔だったので、どこかで拾ってしまったのでしょう。慌てて1匹ずつ駆除しました(これが本当の「シラミつぶし」)。どれも血を吸っているので、潰すと血が出てきます。
虫は全て潰しましたが、あいつらTシャツの縫い目のところにびっしりと卵を植え付けていて、この卵がなかなか取れないのです。
その日以降、1日2回Tシャツの卵取り+孵化したやつらを殺す、をしていたら、最終的には1週間ほどで全て駆除できました。今考えると、単にTシャツを買い替えれば良かっただけの話ですが、貧乏旅行のせいか、その選択肢を当時の私は思いつきすらしませんでした。
いくら貧乏旅行でもシラミにたかられた旅行者というのは聞いたことがありません。その意味ではすごくユニークな経験ができたのかなと思っています(笑)。(でももう二度と経験したくない。)