高等部ブログ
「進化しすぎた脳」著者:池谷裕二@リード図書館
2021/11/24
こんばんは、リード予備校の佳山です。
初版は2007年と古い本となりますが、後期中間試験が終わって冬休みに高校生に呼んでほしい本の紹介です☆
「進化しすぎた脳」著者:池谷裕二 講談社 BLUE BACKS
始めから読んでいなかいと理解出来ないタイプの本ではなく、細かくエピソードが分かれていますので、目次を見て面白そうと思ったところから読んでも十分に楽しめます。
タイトルの「進化しすぎた脳」が一番わかるエピソードを少し紹介します
水頭症という病気があります。小さいときに脳に水が溜まって、脳の成長が妨げられます。ひどい場合だと、大脳の体積は健常の人の20分の1にもなるとか。
大脳の体積がかなり小さくなって、どうのような症状が出るかというと、驚くことに水頭症の患者さんは全く正常な方が多いそうです。 大人になって検査を受けて初めて水頭症だと知る方もいます。 さらに驚くことに、水頭症の50%の人はIQが高く100を超えています。
大人になって脳の90%を無くしてしまうと、確実に障害が出て生活できないようになります。 小さい頃に、小さい脳として成長していくので、上記のようになるようです。
おそらく人は、脳を除く体は環境に適応して発達したのに対し(体の90%の機能がダウンしたら本当に生きていきませんよね)、脳は過剰に進化してしまったようです。
なぜ過剰に進化したのか、科学的な証明はされておりませんので不明ですが、著者の池谷先生は以下のように考えているようです
『 こうして脳は、一見すると無駄とさえ思えるほどに進化してしまっているけれど、でもそれは裏を返せば、将来いつか予期せぬ環境に出会ったときに、スムーズに対応できるための、一種の「余裕」だと考えることもできる。新しい環境や、もしくは進化や突然変異などで体そのものの形が急に変化してしまっても、余裕をもった脳は、依然これをコントロールすることができる。
こう考えると、脳の過剰進化は、いわば安全装置、そう、未来への予備のようなものだと解釈できる。』
(引用:「進化しすぎた脳」池谷裕二著)
勉強してペーパーテストで点数をとることは、脳の使い道の1つです。 脳がこのように過剰に進化して、将来の環境変化に余裕を持たせているとしたら、人は生きている大半を新たに学んで成長できる余地がある、と言い換えることができると思いました。
この本を読んで、個人的には学ぶ意欲を高められました。 今何かの壁にあたって悩んでいるなら、この本を読んでみてください。脳の不思議・神秘を感じ取れると、何か吹っ切れることが起こるかもしれません☆