高等部ブログ
高校生必見!想起学習法で国公立大学合格力を爆上げする科学的勉強術
2025/08/09
ガイダンス・セミナー想起学習法とは?
こんにちは、リード予備校の佳山です。
高校2年生に、リード予備校では想起学習法(リトリーバル)を説明して、実践するように話をしています。
高校3年生の夏までは、合格した大学の偏差値を月の学習時間には正の相関があります。高2の9月の学習時間は、東大合格者と埼玉大合格者で2倍に達しますが、高3の9月にはほぼ同じ学習時間になります。 ということは、高3の夏までに学習時間の量を上げ、高3の夏からは学習の質を上げる必要があります。 学習量は比較的なんとかしやすい定量的なものですが、学習の質は一朝一夕でなんとかなるものではありません。 なので、高校2年生のキャリア教育で効果のある学習法を全員に説明しつつ、高校2年生の秋から実践をさせていきます。高2の秋から学習の量と質を同時に上げていきます。
復習も兼ねて、想起学習法のコツを以下に説明しておきます。忘れた方は是非読んでください✨
また、学習法一覧も載せておきます。 ちなみに想起学習法は、授業後の確認テストよりも効果がありますので、授業後5分でも良いので実践していってください!
単なる「再読型の復習」との違い
多くの高校生はノートや教科書を読み返す再読型の復習を行います。これは理解の確認には有効ですが、時間が経つと成績への寄与が弱まりがちです。想起学習法は、答えを見ずに思い出す行為そのものを訓練します。例:英単語を白紙に書き出す/数日前の数学問題を解答を見ずに再現する 等。
科学的根拠と効果量
Roediger & Karpicke(2006)は、想起練習を取り入れた群が再読群に比べ、1週間後のテストで大幅に高得点となることを示しました。ハッティのメタ分析でも、テスト練習(想起に類する手法)の効果量は d=0.46〜0.8 と報告されています。要するに、「思い出す練習は点になる」ということです。
なぜ高校生に有効か
国公立大学入試の特性との相性
国公立大入試は、知識の適切な取り出しと応用を要求します。想起学習は「必要なときに取り出す力」を鍛えるため、本番のアウトプット性能(ケアレスミスの減少、処理速度の向上)に直結します。
長期保持のメカニズム
想起のたびに記憶痕跡が再符号化・強化され、短期記憶から長期記憶へ橋渡しされます。つまり「取り出すほど、取り出しやすくなる」仕組みです。
想起学習法の実践ステップ
ステップ1:テスト形式での復習
・教科書を閉じ、白紙再現(用語・定理・図の再描画)
・小テスト化:単語カードや自作クイズ、過去問・模試の再演習
・答え合わせは後述の「即時フィードバック」で
ステップ2:間隔を空けた反復(Spacing)
推奨間隔は「テストまでの日数 × 10〜20%」。例:30日後に本番なら、3〜6日ごとに想起練習。短期詰め込みより、間隔分散が保持に効きます。
ステップ3:フィードバックの活用
・即時に正誤確認し、誤りの原因を言語化(なぜ間違えたのか)
・ミスの種類(知識欠落/読み違い/計算ミス)をラベリングし、次回の想起目標を設定
・誤答ノートを作り、次回の白紙再現で重点的に想起
想起学習法を定着させるコツ
学習計画に組み込む
・各科目の想起日をカレンダー固定(例:英語は月木、数学は火金)
・模試・単元テストを「意図的な想起機会」として配置
モチベーション維持
・正答率の推移をグラフ化(可視化で自己効力感UP)
・ペア学習で互いに出題し合い、生成効果(作問で理解が深まる)を活用
まとめ:今日から始める想起学習法で合格をつかむ
想起学習は、暗記を「脳のトレーニング」に変える手法です。白紙再現 → 間隔反復 → 即時フィードバックの三拍子を回すほど、入試本番での取り出し精度が上がります。今日から一問でも「思い出す練習」を始めましょう。
よくある質問(FAQ)
再読は全く意味がないの?
意味はありますが、保持と本番の取り出しに最も効くのは想起です。理解の初期段階は再読、定着段階は想起へ切り替えるのが合理的です。
どのくらいの頻度でやればいい?
インターバル学習のポイントになるので、また別の記事を紹介します。
自己採点でも効果は出る?
出ます。重要なのは即時性と誤りの原因分析です。模範解答と解説でギャップを特定し、次回の想起目標に落とし込みましょう。
参考文献
- Roediger, H. L., & Karpicke, J. D. (2006). Test-enhanced learning: Taking memory tests improves long-term retention. Psychological Science, 17(3), 249–255.
- Hattie, J. (2009). Visible Learning. Routledge.
- Cepeda, N. J., et al. (2006). Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis. Psychological Bulletin, 132(3), 354–380.