高等部ブログ
推薦入試のメリットは合格可能性を上げるだけか?
2025/08/28
推薦入試は「自ら問いを立てる」学びへの第一歩|大学での学びにつながる探究力
推薦入試は合格可能性を上げる制度ではありますが、大学での学びを擬似体験できる貴重な経験にもなります。 是非、多くの高校生に挑戦した欲しい入試制度です。
高校と大学の違いは?という問いに対して、よく言われることは、大学は「自ら問いを立てて主体的に学ぶ」と言われます。
高校と大学の違いをスライドでまとめましてので、ご覧ください。
かなり対比を意識してまとめましたが、やはり高校と大学では全然違いますね。ただし、工学や医学のように「既存の知識・技術を正しく応用する」ことが中心の分野では、まず徹底した知識習得と技能訓練が求められます。そのため、必ずしも「問いを立てること」が大学教育の普遍的な中心とは言えません。相当な時間をかけて、近代から現在にかけての体系的にまとめられた知識を習得する必要がありますし、国家資格を取得する学部・学科では、高校とほぼ同じような勉強が求められます。 また、ゼミや研究室配属になる前(大学1年生や2年生)は、基本大講義室での集団形式授業が多いので、高校生の時は同じような感じになります。
表にも書いていますが、推薦入試は、大学での学びと合致しています。以下にその理由をまとめています。
大学で求められる「自ら問いを立てる」姿勢
大学では、まだ答えのない問いに対して自ら問いを立て、探究し続ける姿勢が求められます。高校までの学びが「与えられた問いに正しく答える」学習であるのに対し、大学では「なぜ?どうして?」という根本的な問いを、自らの興味・関心から見出し、追求する姿勢こそが重要です。
「総合的な探究の時間」で始まる問いの学び
高校の授業でも「大学での学び」を擬似体験できる取り組みがなされています。2022年度より必修化された「総合的な探究の時間」は、高校生が自ら課題を設定し、情報収集・分析・発表を行う学びのプロセスです。具体的には以下の流れで進みます:
- 課題の設定(問いを立てる)
- 情報の収集
- 整理・分析
- まとめ・発表
この過程を通じて、生徒は「問いを立てる力」を養い、「探究する姿勢」の礎を築いていきます。さらに、「探究発表会」や「マイプロジェクトアワード」「探究甲子園」などの発表・表彰機会も多く、学びを深める場が高校段階から整備されています。
推薦入試と「問いを立てる力」
志望理由書は「自分に問いを投げかける作業」
推薦入試で最も重要な要素の一つが志望理由書です。「なぜこの大学なのか」「なぜこの学部・学科で学びたいのか」と、自分自身に問いかけ、それを文章にまとめるプロセスは、まさに自ら問いを立てる経験に他なりません。このプロセスを通じて、自分の関心や人生設計を言語化し、明確化していきます。
面接は問いを深めるトレーニング
面接では、面接官から「なぜそう思うのか?」「その経験から何を学んだのか?」といった追求的な問いが投げかけられます。こうしたやりとりを通じて、受験生は自己省察を深め、「内発的動機づけ」を高めるトレーニングになります。教育心理学の視点からも、「自分の理由を探す」営みは学習意欲を自然と高める働きがあります。
推薦入試は大学の学びの準備になる
推薦入試は「合格のための手段」にとどまりません。その「準備過程」にこそ価値があります。自ら問いを立て、自己の関心や将来像を掘り下げる経験は、大学での学び方と直結します。重要なのは、いわゆる模範解答を作るのではなく、自分の内面から湧き出る問いと向き合う姿勢です。
リード予備校における実践例
リード予備校では、推薦入試に向けた具体的な支援制度を整えています。たとえば、推薦入試コースでは志望理由書の添削や面接練習を行い、さらに学習記録ツールを活用して、言語化した思考を蓄積・共有できる環境が整っています
推薦入試対策コースでは、生徒一人ひとりに対して担当講師がつきます。生徒と講師の対話を通じて、志望理由を深掘りしていきます。今までの生徒の体験をかなり詳細に聞いていきますと、今まで知り得なかった一面を知り得ますし、今の社会課題や近い未来起こるであろう社会問題を議論しつつ、生徒が志望する大学の学部や学科で、課題や問題を解決するヒントはあるかなど、色々と話合います。
こうした取り組みによって、生徒は自分自身と対話しながら「本当の問い」を見つけていく経験を積んでいます。推薦入試対策コースは、推薦入試で合格するためにサポートをしますが、生徒自身もこのプログラムを通じて、大学での学びを体感して欲しいですね。
まとめ
- 大学は「自ら問いを立てる学びの場」である。
- 高校の「総合的な探究の時間」は、その準備として機能している。
- 推薦入試は「問いを立てる経験」を積む貴重な機会であり、大学での学び方を先取りする場でもある。
推薦入試は、単なる合格のための制度ではありません。そこには、「問いを立てる」学びの本質を体験し、大学での主体的な学びに備える重要なプロセスが詰まっています。
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「新・大学でなにを学ぶか」 上田紀行 編著 岩波ジュニア新書
東京科学大学(旧 東京工業大学)のリベラルアーツ研究教育院の先生方13人がそれぞれ大学での学びを説明しています。かなり面白いです!