高等部ブログ
リード通信Vol. 21バックナンバー
2025/02/23
リード予備校忠節校こんにちは。
高3生にとっては国公立前期試験がいよいよあと2日。今週もひたすら英作文の添削に追われていました。
英作文ですが、昔と比べると英語試験に自由英作文を課す大学が本当に増えました。
私個人的には自由英作文の添削をするのが大好きです。理由は、同じ生徒の添削を2週間くらい続けていると、生徒の上達がとても分かりやすい形で見えることが多いからです。
例えば忠節校舎のT君、共テ終了後、私の授業終了後22時過ぎにやって来て、ずっと添削を受けていました。昨日最後の添削をしましたがこちらもビックリするくらい上手になっていました。
入試の自由英作文は「ハイリスク・ハイリターン」な問題です。ハイリスクである理由は、そもそも的外れなことを書く受験生が非常に多く、その場合いくら時間をかけて答案を作成しても0点になってしまう可能性があることです。ハイリターンである理由は、そのような受験生が多い中、もし少しでもまともに書ければそれだけでかなり差をつけることができることです。
リード生の皆さんは的を外さないように、設問をしっかり丁寧に読んで点数ゲットして欲しいです。
前回の私の投稿から1週間たったので、もう1つリード通信のバックナンバーをアップします。情報は掲載当時のものになるので、ご注意下さい。
「今月のお話」で岐阜薬科大学の推薦入試の話を書いていますが、今年も忠節は3人受けて3人合格の合格率100%でした。ちゃんと調べてないので肌感覚ですが、忠節校舎は開校以来岐阜薬科大学の推薦入試の合格率は90%以上だと思います。個人的には、岐阜薬科大学の推薦入試を狙う人はリード予備校一択でしょ、と思ってます(笑)。
高橋
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忠節校限定! リード通信Vol. 21 (2023年7月号)
(なるべく)毎月1日送信。ただしいつまで続くかは??
1、今月のお話
突然ですが、以下の問いに答えてみて下さい。
あなたは今日昼食を食べに、町で人気の食堂にやってきました。この食堂は昼の定食メニューとして以下の4品を提供しています。値段はどれも950円です。
1、ハムスィ・タヴァ
2、トゥルヌド・ロッシーニ
3、プルポ・ア・ラ・ガジェガ
4、美味しいナポリタン
さあ、あなただったら何を注文しますか?
(この問いは代ゼミ国語科講師青木邦容先生のyoutube動画ををパクって私流にアレンジしたものです。)
今回は「知識が人生を豊かにする」という話です。
上の問いに、ほとんどの方は4番を選択したのではないでしょうか。
でも、もし「1番がギリシアの、2番がフランスの、3番がスペインの高級料理で、日本で食べようとしたらとてもでないが950円では不可能!」いう知識を持っていたら、別の選択をしていたかもしれません。
知識があれば、選択肢が増えます。
選択肢が増えれば、人生が豊かになる可能性が高まります。
例えば、因数分解をなぜわざわざするのか。
その意義を最初に見出すのはなかなか難しいでしょう。しかし、人生のどこかの時点で「因数分解をやっておく意義」に気づくことになります。(というか、気づく人もいます。)そのときこそ、その人の人生が豊かになる瞬間です。
しかし、因数分解をやっていなければ、それを必死に勉強していなければ、その意義に気づくことはできません。絶対に。
もう1つ別の例を挙げます。
忠節校舎では岐阜薬科大学の推薦入試合格者が毎年出ています。(何年連続かはもう私も把握していませんが(笑)。)彼らの志望理由書の添削をずっとやっていますが、彼らの志望理由の大半は「薬剤師を目指す」か「新薬開発を目指す」のどちらかです。
しかし、(私の把握している限り)過去に1人だけそれ以外の志望理由を書いた生徒がいました。
英語が得意だった彼女は、その強みを生かして学会や論文で発表される最新の医療情報を医師に提供するMSL(メディカルサイエンスリエゾン)として活躍したい、という内容の志望理由書を書きました。(もうこれだけで他の受験生との大きな差別化ができたと思っています。ちなみに彼女は現在忠節校舎のサポートスタッフです。)
薬学部卒のキャリアパスとしては、MSL以外にも、「公務員薬剤師」や「MR(医療情報担当者)」等の選択肢が考えられます。(ちなみに、公務員薬剤師は普通の薬剤師とは全く異なる職業です。)
薬学部を目指すにあたり、これらの選択肢もちゃんと考慮した上で、「薬剤師OR新薬開発を目指す」のであれば、何の問題もありません。
しかし、これらの選択肢が「最初から見えていない」のであれば、それは人生の選択肢を狭めている可能性があります。
私は最初に、「知識は人生を豊かにする」と書きました。
(非常に恐ろしいことに)これは逆もまた然り、です。
知識が不足すると人生のチャンスをどんどん手放すことになりかねません。
そうならないためにも、知識を増やす努力を私自身も常にしていきたいと思います。
高橋
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2、田辺の一冊 田辺の独断と偏見で本を紹介します。
武者小路実篤『愛と死』
(「むしゃのこうじ さねあつ」と読みます。)
思いっきりネタバレになっている新潮社の紹介をそのままのせます
「友人野々村の妹夏子は、逆立ちと宙がえりが得意な、活発で、美しい容貌の持主。小説家の村岡は、野々村の誕生会の余興の席で窮地を救ってもらって以来、彼女に強く惹かれ、二人は彼の洋行後に結婚を誓う仲となった。ところが、村岡が無事洋行を終えて帰国する船中に届いたのは、あろうことか、夏子急死の報せであった……。至純で崇高な愛の感情を謳う、不朽の恋愛小説である。」
優れた小説とは何でしょうか。
本居宣長は文芸の本質は「もののあはれ」であると考えました。
坪内逍遥の『小説神髄』という本では写実主義(人の心理を客観的にありのままに描く)を主張しています。
近代小説は勧善懲悪のようなお決まりの定型的な物語におさまらない、個性を抱えた人間・ありのままの人間を描くことに価値を置いてきました。
武者小路実篤が属していた白樺派というグループは理想主義・自由主義を掲げていました。
その浅薄な人間・社会理解が批判されることもあります。(社会を見ていない空想、きれいごとだという批判です。)この批判はたしかに正しい面はあります。
しかし、実篤は読者をひきつける魅力的な人間を描いた、それだけで大きな価値があると思います。
この『愛と死』は特段「深い」わけでもなく、愛と死というありがちな話ではあります。
それでも夏子という人物のいきいきとした姿がとても魅力的であり、読者は村岡と一緒にその死を悲しむでしょう。
文豪として名が残る人の中でもかなり読みやすい文章ですので、ぜひ夏休みに読んでみてください。
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3、高橋の各国つれづれ訪問記
高橋が過去に訪れた国を紹介するコーナーです。読んでも特に何の役にも立たないので読みたい人だけどうぞ(笑)。今回は前回に続きアメリカです。
首都:ワシントンD.C.
最大都市:ニューヨーク(都市圏人口は40万人)
面積:約9,834,000平方キロ(世界第3位。日本の約26倍)
人口:約3億.3,200万人(世界第3位)
一言メモ:アメリカで最も偉大な大統領として称えられているリンカーンは、特許を取得した唯一の大統領です。(浅瀬を横切る船が沈まないようにしておく方法を考案した。)
前回はアラスカ州について書きましたが、今回はアメリカ本土について書きます。
アメリカ本土についての思い出は、これはもう本当にたくさんあるのですが、ここではカジノについて書こうと思います。(今回はめちゃくちゃ長文失礼します。)
ネバダ州にあるラスベガスは、ギャンブルの街として世界的に有名です。私は南北アメリカを自転車で縦断中、旅費を稼ぐために、わざわざ1,000km近くの寄り道をして(←ただのアホ)、ラスベガスの地に降り立ったのでした。
本当はルーレットをやろうと思ったのですが、準備運動のつもりでスロットマシーンをやったらどハマりしてしまい、気付いたら3日間で600ドル超の損失を出していました。私にとっては、今までケチケチしながら旅行していたのが馬鹿らしくなるくらいの大きな損失です。
まあ、カジノで儲けるなんて土台無理な話だよな、と思いながら、意気消沈してラスベガスを去りました。
しかし、砂漠地帯を50kmほど走ってジーンという集落に着くと、そこにもホテル&カジノがあります。そしてまた、悪魔のささやきが、、、(笑)。
、、、よく考えれば、そもそもラスベガスで最初はルーレットをやろうとしていたのです。それなのにスロットだけで3日間潰してしまいました。
しかし、スロットは所詮はただの機械です。「出る台」か「出ない台」(あるいは「出る時間」と「出ない時間」)の見極め以外では技術の入り込む余地はありません。そしてそもそもカジノ側が勝つように設定されている訳だから、こちらが損するのは当たり前。
でも、例えばルーレットのように、ディーラーとの勝負をすれば、相手も生身の人間です。自分にも勝てるチャンスはあるのでないか。
、、、いやいや、いくら生身の人間と言ったって相手はプロです。自分みたいな素人は手のひらで踊らされて、最後は軽くひねられておしまいでしょう。
すでに600ドル以上の損失を出しています。これ以上の損失は出せません。
誘惑をなんとか振り切って、先を行きます。
もう20キロ走って次の集落プリムに着くと、、、
なんとそこもカジノリゾートでした、、、。
プリムはネヴァダ州とカリフォルニア州の境の町なので、ここを過ぎるともうカジノはなくなります。果たしてこれで終えてしまっていいのか?
とはいえ、リゾートなのでホテル代は高いだろう。高ければ泊らずに先に行こう。でも一応値段だけ聞いてみようと思い、ホテルのフロントへ。
フロントのお姉さんは、1泊税込み42ドルのところ、28ドルで良いと言います。「あなただけのスペシャルプライス」だそうです。(めちゃくちゃ商売上手。)
30ドル以下でホテルに泊まれるのは悪くない。いや、非常に良い。
、、、結局28ドル払ってしまいました。
早速ホテル併設のカジノでルーレットをやってみます。
チビチビやって、最初は20ドルくらいの儲けになったのですが、そこから連敗してしまいます。気付くと逆に20ドルくらいマイナスになっていました。
ディーラーは金髪の若くてハンサムなお兄さんでした。客との掛け合いもうまい。太ったおっさんの客が、毎回あちこちにチップを置くのですがが、そのうちの1つに大当たりがでて、ホクホク顔でディーラーにチップをはずみ、「次も頼むよ」とか言っていました。
大当たりが出たことで台全体が盛り上がり、人が集まってきました。
ディーラーの若い男は、台を覗きに来た若い女性に「やってみない?」と声をかけます。彼女は最初は乗り気でなかったのですが、ディーラーに「ビギナーズラックがあるかもよ」と説得されて、私の隣に座りました。
、、、ここでピンときました。ディーラーはきっと彼女を勝たせるでしょう。そうすれば場はもっと盛り上がります。そして皆が良い気分になって賭け金が増えたところで、「回収」するのではないか。
彼女は「1~12」マスにチップを置きました。1~12の数字が出れば3倍です。他の客は誰もそこにチップを置いていません。
それまでは1ドル~3ドルくらいの少額でしか賭けていなかったのですが、ディーラーがルーレットを回してから、ベット終了の合図があるまでの間に、思い切って彼女と同じマスに10ドル分のチップを置いてみました。
ディーラーを見ると、ほんの一瞬、「やるなお前」という表情を見せた気がします。
出たのは12。10ドルが30ドルになりました。
次も彼女と同じところに賭けてまた当たります。その次も。そしてその次も。
彼女が4連続で当たりを出したことで、ようやく他の客も彼女に「ツキがある」ことに気づきました。さっき大当たりを出したおっさんが、「女神の登場だ!」と言って彼女と同じマスに賭け、他の客もそれに続きます。
また当たり。場の盛り上がりは最高潮に達します。
次も当たり。気づくと客は座っている人だけでなくその周りを立ち客が囲んでいました。ベットの金額もそれまでの数倍に膨れ上がっていました。
ここで突然、ディーラーが交代になりました。今度は中東系のおっさんでした。ディーラーが交代したときは勝てない、という話を聞いたことがあります。
危ない、と思って赤に1ドルだけ賭けて様子を見ます。
、、、彼女は当たりました。なんと6連続。場の盛り上がりは更にすごいことになりました。賭け金もうなぎ昇りです。自分だけが蚊帳の外でした。
気のせいだろうか。いやそんなことはないはずだ。もう一度、赤に1ドルだけ賭けます。
ここで出たのが0でした。
0と00はそこに賭けられたチップ以外はディーラーの総取りになります。その場にいた全員のベットが没収されます。
その先はフリーフォールで私以外の客はかなりの大金を賭け続けてみんな大損していました。
場も覚めてしまい、一人去り、また一人去り、一度は大当たりを出したおっさんが放心状態で座っているのを横目に自分も台から離れました。
結局300ドルほどのプラスになっていました。それほど大きな儲けではないですが、それでもラスベガスの損失の半分は回収できましたし、何より十分楽しむことができました。
しかし、ディーラーが替わってから0か00が出るのは予測しておくべきでした。当たれば36倍だったのに、、、(笑)。