高等部ブログ
リード通信Vol. 16 バックナンバー
2023/11/22
こんにちは。水曜日は長良校舎にいる高橋です。
前回リード通信のバックナンバーをアップしてから2カ月近くたってしまいました、、、。時のたつ早さには本当にビックリさせられます。(という言い訳(笑)。)
2023年2月号をアップしておきます。毎年2月号は、忠節校舎の各スタッフが受験直前の高3生に向けて書いたメッセージが中心となっています。
どのスタッフも心を込めて書いてます!
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忠節校限定! リード通信Vol. 16 (2023年2月号)
(なるべく)毎月1日送信。ただしいつまで続くかは??
1、今月の予定(省略)
2、今月のお話
今月は私大や国公立二次受験を迎える高3生に向けたリードスタッフからのエールです!
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最後まで厳しい話をします。
共通テストが終わって終わった気になっていませんか?
そう見える人結構いますよ。
特に点数が取れた子、受かった気になっていませんか
足元すくわれますよ。今一度気を引き締めなさい。
共通テストが悪くて落ち込んでいる子もいるかと思います。
「まだ何も決まっていません。」
みんな共通テスト前の方が必死でしたよ。
今の方が必死になるべきときです。
世の中みんなゆるんでますよ。
だから忠節校の生徒が勝てるんです。
まだ息切れしない。もう一度言います。
「まだ何も決まっていません。」
もうひと踏ん張り、根性見せましょう。
土屋
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なかなか成績が上がってこないと思っているあなたへ:
実力が伸びないだって?
いや違う。
あなたがここまで費やした勉強時間が無駄になっている訳がない。
バケツを想像して欲しい。
そのバケツにはホースから水が入っている。
でも正面からそのバケツを見ると、あら不思議。
バケツに水が入っているかどうかは分からないよね。
でも、たとえ外からは見えなくても、確実に水はバケツに入り続けている。
じゃあ、「水が本当にバケツに入っている」ことが分かるのはいつだと思う?
そう。
水がバケツ一杯になって、そしてあふれるとき。
バケツがあなた。そして水が学力。
もしかすると、まだあなたのバケツからは水があふれてはいないかもしれない。
でも大丈夫。水は確実に、そしてどんどん溜まっている。
あふれるまではもうあと少し。
じゃあ、あなたは何をすればいい?
そう、蛇口を全開にひねるのさ!
高橋
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あなたの「生涯の友人」のほとんどは、きっと大学以降で出会う人です。
似た夢を持ち、経験を積んできたでしょうから、きっと殊更に仲良くなれたり尊敬できたりします。
今後のあなたの人生で、成功や門出を一緒に喜んでくれたり、
困ったときに助けてくれたりするのは、おそらくまだ出会っていない人です。
そういった出会いがすぐそこに待っています。期待に胸躍らせて下さい。
一方あなたが「生涯の友人」に出会うためには、逆にあなた自身も相手にとっての「生涯の友人」になる必要があります。
恥じることなかれ、この一年間努力を重ね、何段も成長したあなたであれば、その準備は整っているはずです。
自信をもって春を迎え、新たな友人と出会ってください。
「神はサイコロを振らない」
これはのちに量子力学と呼ばれる理論が ”確率的” であることに反論したアインシュタインの言葉です。
意図は異なるものの、私もよくこの言葉を語っています。
神様は、運や偶然に任せてあなたの進む道を決めているわけではありません。
これまであなたが積み重ねてきた血のにじむような努力を、神様はすべて見てくれています。
これだけやったんだから大丈夫です。あとほんのもう少しだけ、頑張りましょう。
必ず納得の行く結果が付いてくるはずです。応援しています。
あなたの人生は、サイコロや神様の手などに委ねず、あなた自身の意志で作っていくべきです。
今橋
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みなさんに伝えたいのは、最後までやりきれ!これだけです。
これをやって力がついているのかと不安になったり、過去問が解けずにあせったりするかもしれません。
大丈夫です、他の受験生も同じです。
立ち止まらずとにかく目の前のできることをやりましょう。
試験本番、だめだと思うかもしれません。それでも終了の合図があるまでまではくらいついていきましょう。
もう一つ、これまで支えてくれたお父さん、お母さん、周囲の人々への感謝の気持ちを忘れないでください(プレッシャーに感じる必要はないですよ)。
田辺
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エマニュエル・カントという哲学者がいます。
「哲学史上もっとも偉大な哲学者を3人挙げよ」と言われたら誰しもがそのうち1人はカントを挙げます。
カント以前の哲学はすべてカントによって体系化され、カント以後の哲学者は全員カントの影響を受けている、と言われるくらいです。
(※日本文学に造詣が深い人にとっては、日本文学史上における「源氏物語」と言えばわかりやすいでしょうか。)
そんなカントの有名な逸話があります。
カントは几帳面なことで有名な哲学者です。
毎朝決まった時間に散歩をします。
本当に本当に毎日決まった時間に。
カントが住む街で暮らす人々はカントの散歩の時間を見て自宅の時計を合わせたくらいです。
(※唯一カントが散歩を忘れた日があります。
それはジャン=ジャック=ルソーの「エミール」を読みふけり、散歩を忘れたようです。
私が大学で研究した哲学者が、このルソーです。)
そんな哲学史に燦燦と輝くカント。
その最期の言葉が次の言葉です。
「Es ist gut.」(=ドイツ語で「This is good.」の意)
さて、何と訳しましょうか。
カントという哲学者、そして彼の最期の言葉を知ったのは私が18歳の受験生だった頃です。
当時の私の頭に浮かんだのが、「これでいいのだ!」という言葉。
ピンときた方もいると思いますが、天才バカボンのお父さんの名言です。
真摯に自分と向き合い、血反吐を吐くまで努力した先にあるもの。
それは一種の諦めだと私は考えます。
「ここまでやってダメならしょうがない。」
「自分にはこれ以上はできない。だからあとは天命に身をゆだねよう。」
これが努力の境地だと思っています。
「最後のホームルーム」で送った言葉を改めて送ります。
群れるな。迎合するな。孤独で在れ。
いつか、君たちとお互いの孤独のなかで偶然再会したとき、
「これでいいのだ!」と笑い合えることを心から楽しみにしています。
日比野
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3、田辺の一冊 田辺の独断と偏見で本を紹介します。
見田宗介『現代社会の理論』
見田宗介は日本を代表する社会学者の一人です。
この本は1996年に出版された本で、私は高校生の時に読みました。
現代社会はいったいどのような構造を持っているのかを、歴史的な視点もまじえて分析します。いろいろな論点がありますが、情報化についての記述に、高校生だった自分は刺激を受けたのを覚えています。
近代社会は、生産力が向上し様々な製品を安価に生産できるようになりました。しかし、商品の供給は無限に増えても、需要には限度があります。自動車も一度買ってしまえば、壊れるまでは次の車を買わないとなると、自動車をどれだけつくっても売れなくなってしまいます。その増大する生産力と限りのある需要のために、定期的に不況が起こるという構造がありました。過去に各国が植民地を求めたのも、つくった商品を売るための新たな市場をもとめたからというのが理由の一つでした。
これを克服したのが、情報だと言います。
車であれば、ただ便利な移動手段というだけでなく「よりかっこいい」「より快適」「より速い」など他の車との違いを宣伝することで、今持っている車がまだ使うことができても、新しい車を欲しいと思わせるようにしました。車の実際の性能に大きな差がなくても、工夫して消費者に前の車よりもよい、欲しいと思わせれば売ることができます。製品そのものの性能ではなく、「他と違う」という情報を売っているとも言えます。新たな需要を外に求めるのではなく内部に新たに創り出すことで、よりたくさんの物を作って売ることができるようになりました。
実際には他の商品との差別化をはかろうとして技術革新、商品改良も起こってきたわけですが、宣伝が需要を生み出すことで、景気を安定化させる効果があったというのは面白いですね。過度な広告にうんざりしたり(ネット上にはひどい広告が多いですよね)、冷静に考えればいらないものを買ってしまったりという面がありますが、広告・宣伝技術も社会の発展に貢献してきたと言えるでしょう。
現代社会は多様な宣伝によって人々に物を買わせようとしている、ということはみなさんも日々感じていたかもしれませんが、社会学という学問は社会の中の様々な現象をより広く・深く捉えようとします。みなさんも読んでみると社会をこれまでとは違った視点で見れるようになるのではないでしょうか。(社会学については高橋先生に話を聞いてみると面白いかもしれません。)
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4、おまけ(高橋の世界各国つれづれ訪問記)
高橋が過去に訪れた国を紹介するコーナーです。読んでも特に何の役にも立たないので読みたい人だけどうぞ(笑)。第16回はドイツです!
首都:ベルリン(人口約360万人)
面積:約357,600-平方キロ(日本の約94%)
人口:約8,320万人
一言メモ:ベルリンの壁崩壊(1989年)は東ドイツ政府のスポークスマンが「国民に東ドイツからの出国を認める」と発表したのを受け、大勢の国民が出国しようとして壁に押し寄せたことにより起きた。しかし、実はこの発表はスポークスマンの「勘違い」によるものだった。(つまり、たった一人の勘違いから、ベルリンの壁崩壊→東ヨーロッパ諸国の共産主義体制崩壊→東西ドイツ統合へと歴史が大きく変動したことになる。)
インドにある世界第3位の山、カンチェンジュンガ山の麓をトレッキングしていたときに出会ったドイツ人の夫婦と仲良くなりました。9ヶ月後に私がドイツを訪れたときは、ミュンヘン在住の彼らにお世話になり、そこを拠点として各地に足を伸ばす、という形で観光をしました。
ドイツで印象に残っているのは、何と言っても「ソーセージ」と「古城」です。
隣国チェコから夜行列車に乗ってミュンヘンに朝着いたのですが、偶然にもまさにその日が世界的に有名なお祭り、オクトーバーフェストの初日でした。
オクトーバーフェストは、要するに「昼間からみんなでビールを飲みながらワイワイやりましょう」というだけのお祭りなので、アルコールが一切飲めない私にとっては正直どうでもよいお祭りだったのですが、それでもつまみとして出てくるソーセージの美味しさに感動しました。
ソーセージ、と言ってもそこは本場。種類は実に1,500以上あるとも言われています。
その後も毎日ソーセージを食べまくり、気付いたら体重も10kgほど増えてブクブクになってました、、、。
ドイツは古城も有名です。全国各地にあり、それぞれが観光名所になっています。中にはユースホステル(若者向けの安い宿泊施設)になっている古城もあり、安い値段で泊まれたりします。(日本にも宿泊できる城があれば絶対人気になると思います。岐阜城とかやればいいのに。)
ドイツで一番有名な(そして多分一番美しい)古城はなんと言ってもノイシュヴァンシュタイン城です。
私が訪れたのは秋で、山々の紅葉とそびえ立つ白亜の城のコントラストが際立っていたのを覚えています。
ノイシュヴァンシュタイン城を建てたのはバイエルン王国の国王ルートヴィヒ2世。彼は自らの憧れである中世世界を再現すべく、国家の資金を湯水のごとく使いました。
結局彼は精神病と鑑定され廃位されます。そして廃位の翌日に原因不明の死を遂げたのでした。
ノイシュヴァンシュタイン城は未完のまま、現在はドイツ観光のハイライトとして多くの観光客を受け入れています。